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(2)各地「騒音おばさん」 [騒音おばさん]

 妄想性人格障害に関しては、ミロンは、「ことに、自らの中の共感性や、やさしい感情に対して抑圧的である」とする。なぜならば、彼らにとっては、そのような感情は、押さえつけておかなければ、他人に引き込まれ、策謀にはめられかねないことになると考えている。このために、彼らは距離をとった客観的な態度を装うにとどめている。

 パラノイドに最も典型的なのは、いらいらしていて、妬み深く、嫉妬深く、ほんのちょっとした刺激に対してもすぐに怒り出すことである。彼らは、ユーモアを欠いている。また、他人への共感性を抑圧しようとするので、他人に攻撃を加えても、相手のこうむる感情に対してはきわめて鈍感である。

 彼らは、不機嫌でユーモアを欠いている。厳格で頑固である。時には、力が彼らが想定する脅威に対する防衛にとどまらず、敵意によって「自分は屈していない」という思いを感じることもできる。だが、この敵意には積もり積もったものであり、いったん引き出されると、それまでに蓄積された怒りが爆発することもある。些細なはずの出来事に対して、過去から鬱積している怒りが焚きつけられ爆発することもある。

各地騒音おばさんの心理

 元祖騒音おばさんとしては、約10年間にわたり隣家に向けて大音量で音楽を流しながら「引っ越し!引っ越し!」と怒鳴るなどして頭痛・不眠などを起こさせたとして2005年に傷害罪で逮捕された奈良県平群町在住の主婦58歳(当時)が有名である。有罪判決が下ったが、その後、この主婦が、二人の子供を遺伝性の病気で亡くし夫も寝たきり状態だったこと、被害者一家にも無用にこの主婦を刺激する言動があったことなどが報道されており、本書では妄想性人格障害の事件例として位置づけることは避けたい。

千葉騒音おばさん

 昭和63年、A一家4人が、市川晴江被告(当時64才)の家の隣に引っ越してきたが、最初はトラブルはなかった。ある日、被告夫婦が、彼らの家の土地の一部28坪を買ってくれ、とA一家に持ちかけてきた。断ったが、再三被告夫婦が同じ話を蒸し返してくるので、購入に応ずる旨を話すと、8坪が25坪、次は22坪とその後話は二転三転、ようやく平成9年5月契約成立、家を少しずらさないと22坪が確保できないということで、市川被告方の工事が終わってから売買をすることになった。引き渡しの日は11月30日という契約だったのに、10月まで、いっこうに家を動かす気配がなく、市川被告は「やはり家を移動させたくないので、駐車場として確保している土地分(5~6坪)だけ売りたい」と言ってくる。A一家はこれには納得できず、「15坪、1000万円なら買う」と提案し、被告も合意し、再度引き渡しの予定日が決められた。

 しかし、その予定日まで被告は契約書を持ってこず、引き渡し期限の日に、市川被告の娘婿が「代理人」として登場し、一切の契約を破棄したいと通告した。A一家は隣同士ということもあり、ことを穏便に済ませようとして最初の契約にあった違約金の半額以下の違約金を求めるにとどめ、契約破棄の合意となった。


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